サイト設計
弁護士・法律事務所のWEBマーケティング|集客を組み立てる順番
公開日:2026年10月5日
CONCLUSION
法律事務所のWEBマーケティングは、広告より先にサイトで問い合わせに至る条件を整える。分野ページは原則まとめ、費用は載せ、解決事例は同意を取って全件書き、相談フォームは三項目に絞る。そのうえで広告を出し、AI検索の推薦も記録して確かめる。
弁護士・法律事務所のマーケティングは、広告を出すことから始めがちです。しかし広告で来た人が問い合わせに至るかどうかは、サイトで決まります。広告より先に、サイトを整えるのが順番です。
このページは、法律事務所のWEBマーケティングを、サイト・広告・AI検索の順に整理します。各項目の根拠は個別の記事にあります。
WEBマーケティングは、この順番で手を付ける
- 事務所のサイトと、伸ばしたい分野の専門サイトを作る。 広告で来た人が問い合わせに至るかどうかは、ここで決まります。
- ポータルに出稿する。 立ち上げが速く、検索の掲載枠も同時に買えます。
- 自社で広告を運用する。 問い合わせの質を高める段階で始めます。
- コンテンツマーケティングは、最初から並行して進める。 記事は資産として残るため、始めるのが早いほど有利です。
- SNSは最後にする。 SNSだけで集客できている事務所もありますが、かなり特殊なケースで、再現性は低いと考えます。
WEBマーケティングの土台は、サイトの構成
法律事務所のサイトでは、原則として分野ページは分けず、1枚にまとめます。分けてよいのは、その分野の専任担当がいて、更新を続ける体制がある場合に限ります。体制がないまま分けると、更新されない薄いページが増え、サイト全体の評価を下げます。これは1つのサイトの中の話です。伸ばしたい分野に専任の担当と更新の体制があるなら、事務所のサイトとは別にその分野の専門サイトを立てる選択もあります。
なお、サイトの構成そのものは、受任を左右する大きな要因ではありません。構成で悩む時間は、費用の掲載や解決事例、相談フォームといった中身に回したほうが成果につながります。
弁護士のサイトには、費用を載せる
論点は載せるかどうかではなく、読んで自分の額が見当つくかどうかです。相談料・着手金の算定方法・報酬金の割合・実費の目安の四つを、幅と条件つきで書きます。効果はアクセス解析では測れないので、面談で「サイトの費用をご覧になりましたか」と聞いて確かめます。
実際には、相談者は費用をあまり見ておらず、「初回無料」かどうかだけを見ていることが多いです。そのため費用の掲載は必須ですが、見せ方に力を入れすぎる必要はありません。報酬を計算しやすい分野であれば、計算例を添えてもよいでしょう。
解決事例は、同意を取って全件書く
掲載可否は「個人が特定できるか」ではなく「依頼者の同意があるか」で決まります。匿名化は守秘義務の免除ではありません。同意は委任契約書の条項として受任時に取り、良かった事例だけを選ばず原則全件書きます。件数は多いほど有利で、1分野あたり最低3本が目安です。
同意の取得でつまずくことはあります。その場合は、匿名化の方法を丁寧に説明します。それでも同意が得られなければ、その依頼者の事例は載せない判断で構いません。
相談フォームは、必須項目を三つにとどめる
必須項目は、氏名、連絡先、相談内容の三つです。相手方の氏名や事案の詳細は、折り返しの電話で聞きます。項目を増やすほど送信されなくなり、詳細に踏み込むほど守秘の面でも不要なリスクを抱えます。
必須項目を絞ると問い合わせ件数が変わるケースはあります。ただし、広告や掲載位置など他の変数も動くため、項目数と送信率の関係を具体的な数字では示せません。
広告は、サイトが整ってから出す
サイトの条件が整ったら、広告を出します。出し先の選び方、予算の下限、目標の置き方は、弁護士の広告運用にまとめました。広告の表現は日弁連の規程に適合させる必要があるため、業務広告規程の記事で先に確認してください。
AI検索での見え方も、記録して確かめる
相談者がAIに事務所を尋ねる場面が出てきています。相談先を限定しない自然な聞き方では、民間の弁護士事務所が紹介されるのは44%にとどまり、31%は法テラス・弁護士会という公的窓口、他士業は17%でした。AIが根拠にしているのは、個別事務所のサイトではなくポータルです。推薦結果は記録しないと検証できません。
AI検索の結果は、Googleの検索にほぼ常に表示されるようになりました。無視する選択肢はありません。
事務所が今すぐできる対策は三つあります。
- 第三者サイトへの掲載を強める。 ポータルを含め、AIが根拠にする外部サイトに載せます。
- 参照されている競合との違いを調べる。 AIが推薦した事務所のページと自分の事務所を比べ、何が違うかを精査します。
- 事務所の情報を、あらゆる媒体で揃える。 採用サイトなど、事務所の情報が載る媒体すべてで強みを充実させ、同じ内容を一貫して発信している状態に更新します。
マーケティングの採算は、経営の数字で見る
施策ごとの成果は、最終的に受任単価と事務所の採算で判断します。弁護士の経営で整理しています。