サイト設計

法律事務所のサイトで、分野ページを分けるべきかどうか

公開日:2026年9月17日

CONCLUSION

原則として分野ページは分けず、1枚にまとめる。分けてよいのは、その分野の専任担当がいて、更新を続ける体制がある場合に限る。体制がないまま分けると、更新されない薄いページが増え、サイト全体の評価を下げる。

取扱分野が複数ある事務所から、分野ごとにページを分けるべきか、1枚にまとめるべきかという相談をよくいただきます。

結論から言うと、原則は分けません。 分けてよい条件は限られています。

なぜ多くの事務所が分けたがるのか

理屈自体は間違っていません。検索する人は「交通事故 弁護士 横浜」のように分野を含めて調べます。その分野を扱ったページがあるほうが、検索結果に出やすくなる。これは事実です。

制作会社も分けることを勧めます。ページ数で見積もりが出るという事情もありますが、それ以上に、分野ページを持つ事務所が上位に出ている例を実際に見ているからです。

問題は、その例が成立するための前提が説明されないまま提案されることです。

分けた場合に実際に起きること

作った直後は、たしかに良く見えます。問題は半年後です。

更新されなくなります。 分野ページは5本から10本になります。そのすべてを更新し続けている事務所を、私はほとんど見たことがありません。日々の業務がある以上、当然のことです。

情報が古くなります。 法改正、料金の改定、解決事例の追加。更新されない分野ページは、時間が経つほど実態とずれていきます。相談者から見ると「動いていない事務所」に映ります。これは、ページが無いことより悪い状態です。

中身の薄いページが増えます。 5本の分野ページを一度に作ると、どうしても構成が同じで中身だけ差し替えたようなページになります。「〇〇でお困りの方へ」「当事務所の強み」「解決までの流れ」「よくあるご質問」。分野名だけが違う5本ができあがる。検索エンジンはこれを見分けます。そして、薄いページが多いことは、サイト全体の評価を押し下げます。

問い合わせの導線が分かれます。 どの分野ページから来た相談なのかを記録していないと、どのページが機能しているのか判断できません。5本作っておいて、どれが効いているか分からない状態は珍しくありません。

分けなかった場合に起きること

1枚に情報が集まります。 更新も、被リンクも、滞在時間も、1枚に集中します。結果として、その1枚が強くなります。

更新が続きます。 1枚なら現実的です。月に一度でも手を入れられれば、情報は古くなりません。

ページは長くなります。 これは正しい対処が必要です。目次を置き、分野ごとに見出しを立て、それぞれの中に費用、期間、相談の流れを書く。長いこと自体は問題になりません。相談者は自分に関係のある見出しだけを読みます。

分野ごとの細かい検索では上位に出にくくなります。 これが唯一の実害です。ただし、分野ページを作っても更新されなければ結局上位には出ません。実害があるのは、更新を続けられる事務所の場合だけです。

判断の基準

分けてよいのは、次の3つがすべて揃う場合です。

  1. その分野を専任で担当する弁護士がいる。 「全員が全分野をやる」体制なら、分ける意味がありません
  2. ページを更新する担当者と頻度が決まっている。 「気づいたときに直す」は決まっていないのと同じです
  3. その分野の検索数が、対象地域で十分にある。 月に数件しか検索されない分野のページを作っても、労力に見合いません

3つ揃わないなら、1枚にまとめてください。1つでも欠けるなら、分けた結果は前章のとおりになります。

実務上の注意

分けると決めた場合も、最初から全分野を作らないでください。 まず1分野だけ作り、3か月更新が続くかを見ます。続かなければ、残りを作っても同じことになります。

すでに分けてしまっている場合、統合するときは旧URLから統合先へ301リダイレクトを必ず設定してください。これを忘れると、それまで積み上げた検索評価が消えます。統合は評価を集約するために行うので、301を怠ると目的と逆の結果になります。

1枚にする場合、分野名は見出し(h2)に入れてください。検索エンジンはページ内の見出しを手がかりに、そのページが何を扱っているかを判断します。1枚でも、扱っている分野は伝わります。

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