広告運用

広告代理店の手数料は、何に対しての何%か

公開日:2026年9月23日

CONCLUSION

手数料は「出稿費に対して20%」が一般的だが、総額に対しての20%だと実質25%になる。最低手数料の有無、含まれる作業の範囲、制作費が別かどうか、運用者が何アカウント担当しているかを見積書の段階で確認する。率だけを比べても意味がない。

「運用手数料は20%です」という説明を受けたとします。

この一文だけでは、いくら払うことになるか決まりません。何に対しての20%かが書かれていないからです。そして、ここは見積書でも曖昧なまま進むことがあります。

「出稿費の20%」と「総額の20%」は違う

同じ20%でも、計算の基準が2通りあります。

月の予算を50万円と決めた場合
出稿費に対して20%出稿 416,667円 × 20%83,333円
総額に対して20%総額 500,000円 × 20%100,000円
差額(年間)200,000円

後者は、出稿費に直すと実質25%です。同じ「20%」と呼ばれています。

予算50万円のうち、いくらが実際に広告として出ていくのか。 見積書でここを確認してください。「予算50万円(うち手数料10万円)」と書いてあれば総額基準、「出稿費50万円+手数料10万円」と書いてあれば出稿費基準です。

最低手数料がある

率だけの契約はほとんどありません。たいてい最低手数料が設定されています。

月5万円前後が一つの目安です。出稿費が少ないうちは、率ではなくこの額が適用されます。

つまり、出稿費が小さいほど実質の手数料率は跳ね上がります。

最低手数料5万円・料率20%の場合の実質率
出稿費 10万円手数料 50,000円50%
出稿費 25万円手数料 50,000円20%
出稿費 50万円手数料 100,000円20%

出稿費が最低手数料の5倍に届くまでは、率の話に意味がありません。

広告費の下限に届かない予算で始めるべきでない理由が、ここにも一つあります。判断できる件数が出ないうえ、手数料率も不利になります。

手数料に何が含まれるか

ここが最も差が出ます。同じ20%でも、含まれる作業の範囲が違えば比較になりません。

含まれることが多いもの

  • キーワードの調整、除外キーワードの追加
  • 広告文の作成と差し替え
  • 入札の調整
  • 月次レポートの作成

別料金になることが多いもの

  • ランディングページの制作
  • バナーなどの画像制作
  • 計測タグの実装
  • サイト本体の修正

ランディングページの制作費が別かどうかは、必ず確認してください。 広告は出せてもページが直せない状態になると、改善の打ち手が半分なくなります。

運用者が何件持っているか

見積書には出てきませんが、成果を左右します。

運用担当者1人が何アカウントを担当しているか。正確に運用しようとすると、1人で10アカウント、出稿費の合計でおよそ1,000万円が上限です。 同じ分野のアカウントに偏っていれば20件まで見られることもありますが、それを超えると月次の定型作業で手一杯になり、個別の改善に手が回りません。

聞き方は単純です。「担当の方は、いま何社くらい見ていらっしゃいますか」。答えられない、あるいは明らかに多い場合、手数料が安くても結果は出ません。

あわせて、誰が実際に触るのかも確認してください。営業担当と運用担当が別なのは普通ですが、運用が外注に再委託されている場合、質問への回答が遅くなります。

見積書で確認する5点

契約前に書面で確かめる
  1. 1
    料率の基準出稿費に対してか、総額に対してか。総額基準なら実質率を計算し直す
  2. 2
    最低手数料金額と、それが適用される出稿費の範囲
  3. 3
    含まれる作業の範囲とくにランディングページの修正が含まれるかどうか
  4. 4
    広告アカウントの所有者自社名義か、代理店名義か。契約終了時に何が残るか
  5. 5
    運用担当者の担当社数と、再委託の有無書面に書かれないことが多い。口頭でよいので聞いて記録する

4番目は、成果報酬型の記事でも触れたとおりです。代理店名義のアカウントだと、契約終了時に運用の蓄積がすべて消えます。手数料が安くても、乗り換えのたびにゼロからやり直すことになります。

法律事務所の場合の追加確認

弁護士の業務広告には、一般の事業者にはない制約があります。

2026年7月1日から、広告業者との契約書と入出金の記録を3年間保存する義務があります。 見積書、発注書、広告報酬計算書、請求書、そして契約内容についてやり取りしたメールも対象です。詳しくは業務広告規程の記事に整理しました。

口頭で条件を決めて書面が残らない契約は、この義務を果たせません。 手数料の条件も、必ず書面でもらってください。

率の比較に意味は薄い

最後に。手数料15%の代理店と20%の代理店を比べても、判断材料にはなりません。

見るべきは、受任1件あたりにいくらかかったかです。手数料を含めた総額を受任件数で割る。出し方は受任単価の記事に書きました。

手数料が5%安くても、受任単価が2倍なら意味がありません。逆に手数料が高くても、受任単価が下がるなら払う価値があります。

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